WONDER TIME

「シビュラシステムの誕生以降　
最悪の犯罪者だと思われます」
聖護の手掛かりを求め雑賀教授を訪ねた狡噛と朱
それを知った宜野座は怒りをあらわに…、そして泉宮司と新たな計画を立てる聖護

　　
【第９話 あらすじ】
「マキシマ」の存在に迫るため、プロファイリングの第一人者雑賀教授のもとへ訪れる狡噛と朱。一方マキシマも協力者泉宮寺とともに新たな犯罪の青写真を描き始めていた。徐々に交錯する狡噛とマキシマの思惑……。

桜霜学園の一件で破壊された映像データのうち唯一復元出来た音声
そこに〝槙島〟の名前があった事を確かめた狡噛と朱、あと一歩の所だった…
璃華子は指名手配されたけど消えるなと呟いた狡噛
槙島へ繋がる証拠にもなるし 既に消されている事に気付いてるようですね

そんな狡噛に話があると連れ出した宜野座は すまなかったと謝罪し
感情的になっていたのは自分の方で、奴は妄想なんかじゃなかったと認めた!
思わず狡噛も驚いてたし、これを機に変わるかなと思ったんですけどねｗ
執行官の言う事を全て真に受けていたら監視官は務まらない
獲物尻尾が鼻先を掠めた感じで、今久し振りに気分が良いと言う狡噛
ﾆﾔﾘと笑みを浮かべていたけど 槙島への執着が強くなっちゃいそうな感じですね(汗)

休日にホロで衣装を選ぶ朱にデートかとひやかすAIのキャンディがｗ
思わず赤くなっていたけど、一応恋愛に関して興味はありそうですね
以前 縢と恋の話をしてた時の反応は薄かったですけど(苦笑)
デートの相手に贈答品はどうか、花束はどうかと世話を焼いてくるキャンディに
推測回路をリセットさせて、厚生省からのお勧めのニュース動画を流させる朱
車を運転しながら待ち合わせ場所へ向かい狡噛と合流する事に!
タバコを吸おうとしたらセキュリティドローンに噛み付かれそうになったと不機嫌丸だしｗ
助手席に乗り込み 悪いなと一言謝る狡噛に、自分も興味があるから気にするなと言う朱
つまり聖護に関しての情報を得る為に…って事ですね

聖護と繋がりがある泉宮司は全身サイボーグ化のパイオニア
地下再開発を進める帝都ネットワーク建設の会長でもあったのですね
この時代は医療目的のサイボーグ技術は一般の生活にも馴染んだものになっているが
泉宮司のように脳と神経系以外の全てをサイボーグ化した例はまだまだ珍しいもの
インタビューを受けながら、なぜ皆早く不自由な肉体な捨ててしまわないのか不思議だし
肉体は魂の牢獄プラトンは言ったと話す泉宮司
自分の人生はますます楽しみを増している、老いを克服する事がこれほどまでに幸福な事だとは思わなかった、これは機械の体を受け入れない限り理解は出来ないだろう
…つまり泉宮司は全身サイボーグって事で良いんですかね?(汗)

しかし、最新の技術をもってしても脳の寿命は１５０年程度とされているし
脳の完全な機械かはまだまだクリア出来てない問題も山積みだと言う司会者
でも、限界まで酷使すれば自分の脳にはまだ余裕があるし
その間にブレークスルーが起こる事を期待すると言う泉宮司は
それが起これば不死の時代の到来だと!
神は自分に似せて人を創ったと言う、そろそろもう少し人が神に似ても良いのではないか
…ってまた怖い事考えてますね、泉宮司の犯罪係数もかなり高そうな感じが…

サイボーグ化の不老不死についてどう思うかと聞かれ興味無いと答える狡噛
潜在犯の人生は末永く続けたくなるようなものではないと…
でもいつか社会制度が発達すれば潜在犯の権利だって改善されるはずと返す朱
どうりでサイコパスの色相が濁らないわけだと言われたけど
何とかなると前向きな思考が…って事なんですかね
色相が濁らない理由には 他にも何かありそうな感じがしますけど…

アンケート調査では全身の５割を超えるサイボーグ化には抵抗を感じるとの回答が大多数
抵抗があると感じる人の気持ちは分かるし、結局は程度の問題だと言う泉宮司
例えば…と司会者を例にとり、彼女も立派なサイボーグだと説明を始めたけど…
義手も義足も人工臓器も使ってないと さすがに不機嫌になっていく司会者がｗ
体は普通の人間でも、誰しも何らかの携帯情報端末は持っている

コス・デバイス、ホームオートメーション、AIセクレタリーと色々あるけれど
それらのデータが火災や災害によって一気に失われたとしたらどうか?
多くの人が復旧するまで何の仕事も出来なくなる事に…
自分の生活をそこまで電子装置に委託してるのに、サイボーグじゃないと言っても説得力がないし、携帯端末はその人にとって既に第二の脳だと言う泉宮司
科学の歴史は人間の身体機能の拡張であり 人間機械化の歴史と言い換えても差し支えない
明らかに不快な表情を示す司会者に、だから程度の問題なのだと

狡噛と朱が向かったのは都会から離れ自然に囲まれた場所にある雑賀教授の屋敷
環境ホロもほとんど使わず 昔ながらの生活をしてるようで…
二人を中へ招き入れコーヒーを淹れながら、初めて顔を合わせたばかりの朱に
千葉県の出身で、運動神経が悪くないのに何故か泳げない
両親はどちらも存命で一人娘に恋人が出来ない事を心配し、公安に入るのも反対だった
祖母に可愛がられ かなりのお婆ちゃん子だったと言う雑賀
幼児期に高齢者と長く過ごした人間ほど、成長してからホロアバターの人工知能と良好な関係を築く事が多い、そのパターンに当てはまっていると
見事に朱の事をプロファイリングして見せた!(驚)
…成程、狡噛の凄いプロファイリング能力は教授から教わったって事ですか
どうやったのかと尋ねる朱にただ観察しただけだと言う雑賀
人は無意識なうちに様々なサインを発している、コツさえ掴めば簡単に読み取れるのだと

早速 専門は臨床心理学だと推理する朱に、精神鑑定や捜査協力をしてるうちに、いつの間にか犯罪の研究に主軸が移ってしまったと言う雑賀
今日は二つお願いがあって来たと本題を切り出す狡噛
１つ目は朱にプロファイリングの短期集中講義
この時代ではもうプロファイリングは時代遅れ扱いされているのですね(汗)
２つ目は雑賀が保管している受講生名簿の閲覧
それは公安局からの要請かと確かめる雑賀に、個人的なお願いだと返す狡噛
もしも命令だとしたら断ってる所だと言うけど 協力してくれそうですね

探してるのはシビュラシステムの誕生以降 最悪の犯罪者だと思われる人物
極めて高いレベルの知能犯、おそらく肉体的にも頑健
特殊なカリスマ性を持ち 自分で直接手を下す事は少なく
人の精神を支配し影響を与え、まるで音楽を指揮するように犯罪を重ねていく男――
…って、既に聖護の事をかなり理解してる感じが(汗)

カリスマ性とは何かと問われ、英雄的・支配者的資質と言う意味で使ったと答える狡噛
しかし雑賀にとっては２０点の採点、カリスマ性には３つの要素がある
英雄的・預言者的資質、あるいは一緒にいて気持ちが良いと言うシンプルな空間演出能力、そして あらゆる事を雄弁に語るための知性
狡噛が探しているのは その全ての要素を持ち合わせていると思われる
確かに聖護は ３つの要素を兼ね備えていると言える感じで…

一方、宜野座たちは 聖護が桜霜学園で教師として名乗っていた名前を調べるも偽名で
実際は介護施設に収容された全く関係のない人物だった事が明らかに!
柴田と言う人物の経歴が改竄され 教員になりすます為に利用されていた
完全な偽装経歴じゃないのが悪質かつ巧妙だと言う縢
しかし、教師と言う人目に触れる仕事を選んだのは、大胆なのか間抜けなのか?
映像データはすべてクラッシュ、かろうじて残されたのは短い音声ファイルだけ
残された手段は昔ながらのモンタージュ写真と似顔絵作成の二つだけ…
勿論どちらもやったけど外れ、結局は佐々山が撮ったピンボケの写真が唯一の手掛かり
…わざわざ古い捜査方法しか取れないようにしたって事なんでしょうね(汗)

雑賀の屋敷からの帰り道、疲れたのかウトウトし始めた朱
全てオートだから運転の必要は無いし、乗っていれば良いだけって便利だなぁ
少しは役に立ったかと聞かれ、凄い先生だし保安局のアーカイブに入ってないのは不思議だと返す朱に、アーカイブ化は無理だと答える狡噛
シビュラシステムと大学制度が同時に存在していた頃の話
公安局捜査官の為に雑賀先生の特別講義が設けられていた、がある時 大問題が発覚
受講生の色相が濁り犯罪係数が上昇する事になったのだとか…
もちろん全員じゃないし、今日みたいにマンツーマンの講義なら問題は無いし
朱は色相が濁り難い性質みたいだからなって、一応褒めているのかな(苦笑)
それにしても、講義だけで犯罪係数が上がるとか どういう事なのか…

底が見えない黒い沼がある、沼を調べる為には飛び込むしかない
先生は調査の為に何度も潜った事があるから慣れているが、でも全ての生徒が沼に潜って無事に戻って来られる訳では無い、能力差や単純に向き不向きがある
狡噛は深くまで潜りそうだし それでもちゃんと返ってくると言う朱に どうだかなと返し
少なくともシビュラシステムは帰って来れなかったと判断したと言う狡噛が…

最も狡猾で いくら狩り殺しても絶滅の心配の無い動物は何かと聞かれ人間だと答える聖護
今はもう普通の狩猟は許可が下りないし 聖護には感謝してると言う泉宮司だけど…
それってつまり狩りの標的である人間を用意してくれるって意味ですか(汗)
そんな泉宮司が使っているパイプは象牙では無く、マウスピース以外の部分は
前回消された璃華子の骨で出来ているとか… 恐ろし過ぎるのですが…!
こうして触っていると心が若さを取り戻すのだと言う泉宮司
恐怖に震え上がる獲物の魂が 自分に活力を与えてくれる
肉体の老いは克服した、後は心だけ…って、１１０歳の野望恐ろしい(汗)

生命とは他の命を犠牲にする事で健やかに保たれる
だが体の若さばかりを求め、心を養う術を見失えば当然 生きながらに死んでいる亡者ばかりが増えていく、愚かしい限りだと言う泉宮司に
スリルによる活力、それは死と隣り合わせの危険な報酬だと答える聖護
狩りの獲物は手強い程みずみずしい若さが手に入る
それなら今度はとびきりの獲物を用意出来る、公安局執行官
…って、狡噛を今度は泉宮司の狩りの獲物にする気ですか!(汗)

結局 雑賀教授の受講者名簿は空振り、聖護に繋がる新たな手掛かりは掴めず…
しかし、生きてる人間ならば必ずどこかに足跡がある
地道に追っていくしか方法はなさそうですね…
翌日 職場に行くと、既に宜野座たちに朱を雑賀と引き合わせた事が知られていた!
朱を巻き込むつもりか、狡噛と同じく道を外した潜在犯にしたいのかと怒る宜野座に
自分が紹介を頼んだ事だし 子供扱いするなと間に入るも、事実右も左も分からないガキだとバッサリ言い捨てられちゃいましたね(苦笑)

何の為に監視官と執行官の区分けがあると思っているのか、健常な人間が犯罪捜査でサイコパスを曇らせるリスクを回避する為
二度と社会復帰出来ない潜在犯を身代わりに立てているからこそ、自分の心を守りながら職務を遂行出来る
しかし、そんなのはチームワークでは無いし、犯罪を解決するのと自分のサイコパスを守るのと、一体どっちが大切なのかと宜野座に噛み付く朱!
キャリアを棒に振りたいのか、ここまで積み上げて来たもの全てを犠牲にするつもりか
厳しい事を言われながらも、自分は確かに新人だし宜野座は尊敬すべき先輩であるが
だけど階級上はまったくの同格である事を忘れないで欲しいと返す朱
色相の自己管理はちゃんと出来ているし、いくら先輩とは言え職場で執行官の目の前で、自分の能力に疑問符をつけるような発言は謹んで頂きたいと!

そのまま何も言わずに出て行った宜野座に、朱の怒りは収まらず局長を通して抗議すると!
そんな朱にやめておいてやってくれないかと声を掛け窘める征陸
宜野座の父親が潜在犯なのだと言い、彼の過去を話してくれたけど
…二人の確執を見ると その父親と言うのはもしかして…?
宜野座の子供時代は まだシビュラ判定が実用化され間もない頃で
世間では潜在犯に対する過剰な誤解やデマが横行していた、親兄弟から犯罪係数が計測されたと言うだけで その家族までも同類の扱いを受けたりと、さぞつらい思いをしてきただろうと

刑事が捜査にのめり込めば、結局はシビュラシステムから犯罪者の同類としてマークされる事になると言う征陸
犯す側も取り締まる側も、同じ犯罪と言う現象に直面している違いは無い
今みたいに執行官なんて役職が出来る前には、そうやって潜在犯と診断された刑事が大勢いたし 宜野座の父親もその一人だと…
聞けば聞くほど、宜野座の父親って征陸さんじゃないかと思えてくる
だからこそ宜野座は自ら進んで危険を冒そうとする人間を許せないのに同僚だった狡噛を…
父親と相棒に二度も裏切られたという思いがあるのだと…

それ故に朱に対する態度も厳しくなってしまう、でも間違ってはいない
朱にも家族や友人がいる、サイコパスが濁ったら 今度はその人たちが宜野座と同じ苦しみを背負う事になるのだと言う征陸
そして、そうならないように自分達執行官がいるのだと!
やっぱり こういう時は征陸さんがホント頼りになりますね
狡噛もそんな風に思っているのかと尋ねる朱に、以前はそうだったと答える征陸
しかし今は聖護の事しか目に入らないようになってしまってるのかもしれないと…

一方、聖護から狡噛の事を聞いた泉宮司は自分は生け捕りにはしないと物騒な話を(汗)
聖護は気付いてないようだけど、狡噛の名前を口にする時とても楽しそうな顔をする
そう指摘され、笑みを浮かべる聖護が怖いよ…!

狡噛と聖護、どんなふうに対峙する事になるのか気になりますが
今後は泉宮司の狩りの獲物として狡噛が狙われる事になりそうですね(汗)
少ない手掛かりの中から、どう聖護を突き止めていくのか楽しみです


ＮＥＸＴ⇒『メトセラの遊戯』

　　　　　　

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